昨日の「柘榴(ざくろ)」に引き続き、今日は「三果図」について。
桃と柘榴、仏手柑(ぶっしゅかん)の三つの果実を描いた「三果図」は、
多寿、多子、多福を象徴する吉祥柄で、「三多図」とも言われます。
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桃は長寿を表す象徴、多寿ですね。
崑崙(こんろん)山に住む西王母(せいおうぼ)が育てている仙桃を食べれば不老不死が得られると言う神話が広く知られています。
不死、長寿のシンボルで、邪気を払う霊力があると言われています。
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柘榴は、丸い実の中に多くの種があるので、子孫繁栄の象徴、多子を表します。
日本では、出産の神様鬼子母神がその手に握っているのが柘榴ですね。
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仏手柑は、ミカン科の低木で、果実の先が裂けて手の指を広げた形に似ていることから名前がついています。
中国では、「仏手」と表しますが、仏様の手に似ているから縁起が良いというだけではなくて、
中国語では「仏」が「福」、「手」が「寿」に音が似ていることから、福寿の象徴とされています。
これが多福ですね。
別の組み合わせで、仏手柑の代わりに荔枝(れいし・ライチ)が描かれているものもあります。
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上の2つが桃と柘榴です。
この杯にもうひとつ描かれているのが、下の画像、仏手柑ではなく荔枝です。
荔枝(れいし・ライチ)は発音が似ているところから、子供の誕生を願う「立子」を表します。
また、中国語では「荔」は「利」、「悧」とも同音で、聡明さを表しています。
果実が龍の目に似ていることからもおめでたい果実として好まれています。
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